ビジネスメールやチャットツール、メッセンジャー、SNSなどで、”FYI”という見慣れない英語の略語を目にしたことはありませんか?
英語の頭文字を取った略語は、日常会話からビジネスまで、幅広いシーンでとてもよく使われています。
略語は、親しい相手とのスムーズなコミュニケーションに役立ちますが、意味を知らずに使ってしまうと思わぬ誤解やトラブルの元になりかねません。
今回は、”FYI”の意味と使い方をはじめ、”TBD”や”TBA”など、ビジネスシーンでよく使われる英語の略語表現を紹介していきます。
”FYI”の意味
”FYI”は、”for your information”を略した書き言葉です。
”for your information”の直訳は「あなたのための情報」ですが、おもにビジネスシーンでのメールやショートメッセージ、SNSなどで「ご参考までに」という意味で使われています。
職場の同僚やチームメイト同士で、情報の共有や要件の伝達の際によく用いられるインターネットスラングです。
”FYI”の正式な読み方は決まっておらず、そのままローマ字読みで「エフワイアイ」だったり「エフワイイー」だったり、「フワイ」と読まれることもあります。
辞書では以下のように定義されています。
written abbreviation for for your information: used, for example in emails, when you send someone an announcement or tell someone something that you think they should know
for your informationの略:電子メールなどで、誰かにお知らせを送ったり、誰かに知っておいてほしいと思うことを伝えたりするときに使う
通常、略語は親しい間柄で使うカジュアルな表現ですが、”FYI”は、業務の効率化と情報の簡潔化を図るのに有効で、スピード感が求められるビジネスシーンでも多用されています。
長い単語を打ち込む必要がなくシンプルでわかりやすい文面になるので、情報を誤解なく正確に伝えられます。
ビジネスシーンでよく使われている表現ではあるものの、相手や内容によっては不適切な場合もあるので注意が必要です。
- 重要書類や機密事項には使わない
- ”FYI”が通用する相手を見極める
”FYI”は、「参考までに」という意味の略語なので、重要書類や機密事項の書かれた書類(契約書など)には使わないのが無難です。
略語=カジュアルな印象が強いため、上下関係の厳しい日本では、略語が通用する相手かどうか、”FYI”の正確な意味を知っているのか慎重に見極めましょう。
”FYI”を使った例文
”for your information”を略した”FYI”は、書き言葉としてメールやショートメッセージ、チャット、SNSなどで頻繁に使われています。
とはいえ、「具体的にどのように書いたらいいの?」「使い方がわからない」と思った人も多いでしょう。
”FYI”の使い方を2パターンに分けて例文で紹介します。
メールの本文で使う場合
メールやショートメッセージの本文で使う場合の”FYI”の例を見てみましょう。
【例文】
FYI, the news we talked about is on the website.
訳)ご参考までに、先ほどお話した内容はウェブサイトに掲載されています。
FYI, I have already received an email from the client.
訳)ご参考までに、クライアントからはすでにメールが届いています。
FYI, the attached documents are the latest minutes of the meeting.
訳)ご参考までに、資料として最新の議事録を添付しています。
メールのタイトルに使う場合
”FYI”は、メールのタイトルに入れたり、共有したいメールを複数の宛先に転送したりするときにも使えます。
タイトルに”FYI:”と入れておくと、単なる情報の共有を表し、返信や対応を必要としないことを意味します。
【例文】
FYI: We will have a meeting with Zoom tomorrow at 9:30 am.
訳)明日の朝9時30分よりZoom会議(返信不要)
FYI: Attached is a summary of the proposal we discussed recently.
訳)先日話し合った企画書を添付(返信不要)
FYI: Tomorrow’s meeting has been postponed.
訳)明日の打ち合わせは延期(返信不要)
ビジネスシーンでよく使われる略語
”FYI”の他にも、英語の文書やメッセージではいろいろな略語が使われています。
ビジネスシーンでよく目にする頻出の略語表現を紹介します。
TBD(to be determined)
”TBD”は、”to be determined”(後で決定される)を略した英語です。
「未確定」や「後日決定」という意味を表し、現時点で決まらなかった持ち越し案件によく使われます。
【例文】
The sales method for the new products: TBD.
訳)新製品の販売方法は後日決定します。
TBA(to be announced)
”TBA”が、”to be announced”(あとで通知される)を略した英語です。
イベントや社内行事の詳細が決まっておらず、「追って通知します」や「後日連絡します」と言いたいときによく使われます。
【例文】
Save the date for a meeting on November 15th. Time & Location: TBA.
訳)11月15日は会議のため空けておいてください。時間と場所は追って連絡します。
WFH (work from home)
”WFH”は、”work from home”を略した英語で、そのまま「在宅勤務」を意味します。
リモートワークが珍しくなくなってきた昨今では、使う機会が増えてきているのではないでしょうか。
【例文】
I will WFH on Thursday.
訳)木曜日は在宅勤務の予定です。
OOO (out-of-office)
”OOO”は、”out-of-office”(不在)を略した英語です。
意味を知らないと誤字と思ってしまいがちですが、”out-of-office”の頭文字”O”を取り、「不在」や「休暇中」、「外出中」などを意味しています。
メールやショートメッセージだけでなく、職場の共有カレンダーに書き込むときなどにも使える表現です。
【例文】
I will be OOO in the afternoon next Wednesday.
訳)来週の水曜午後は不在です。
EOW (end of week)と EOM (end of month)
”EOW”は、”end of week”の略で「週の終わり」、”EOM”は、”end of month”を略して「月の終わり」を意味します。
【例文】
Could you please issue the Purchase Order by EOW?
訳)今週中に発注書を発行していただけませんか?
EOB(end of business day)
”EOB”は、”end of business day”(就業時間の終わり)を略した英語です。
「終業時間までに」や「今日中に」を意味しており、締切や納期の連絡でよく使われています。
【例文】
Please give me the report by EOB.
訳)今日中に報告書を提出してください。
ETA(estimated time of arrival)
”ETA”は、”estimated time of arrival”の略語で、「到着予定」を意味します。
来社時間を連絡するときや、製品の受け取り確認の際に使われます。
【例文】
I haven’t received the sample product I requested. Could you tell me the ETA?
訳)頼んだサンプル品がまだ届いていないのですが、到着予定日を教えていただけますか?
ASAP(as soon as possible)
”ASAP”は、”as soon as possible”を略した表現で、「できるだけ早く」「なるべく早く」を意味します。
急ぎの要件や緊急案件を伝える際に用いられるため、状況によっては少し威圧的な印象を与えてしまうこともあるので注意しましょう。
【例文】
If you want to come, please reply to me ASAP when you get this message.
訳)ご希望であれば、このメッセージに至急ご返信ください。
IMO(in my opinion)
”IMO”は、”in my opinion”の略語で、「わたしの考えでは」「私見ですが」という意味を表します。
【例文】
IMO, I think it’s better to cancel.
訳)わたしの考えでは、中止する方が良いかと思います。
BTW(by the way)
”BTW”は、”by the way”を略した英語で、「ところで」と話題を変えるときによく使われる表現です。
【例文】
BTW, would you tell me about the progress of the project?
訳)ところで、プロジェクトの進捗はいかがでしょうか?
まとめ
”FYI”の意味と使い方をはじめ、”TBD”や”TBA”など、ビジネスシーンでよく使われる英語の略語表現を紹介しました。
短いローマ字表記で済む略語は、英文だけでなく、日本語でのメッセージにも使える便利な表現です。
スピーディーかつ正確に、そしてわかりやすく相手に情報を伝えられるため、覚えておくと業務の効率化にも役立ちます。
ただし、カジュアルな印象にはなるので、相手や状況を慎重に見極めてから使うようにしましょう。
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