「~ができる」の英語と言えば、多くの皆さんにとって親しみがあるのはcanでしょう。しかし、enableもあります。皆さんは、enableを有効に使っていますか?
そこでこの記事では、英語enableの意味と使い方を紹介します。さらに、もうひとつの似ている単語ableとの違いも解説しましょう。
enableの意味
enableはカタカナ語でエネイブルのように発音します。
enableがどのような意味を持つのか、はっきりと説明できますか?分かっているようで少し自信がないという人もいるのではないでしょうか?さっそく、次で解説します。
enableの意味
enableには「できるようにする」「~を可能にする」「有効にする」といった意味があります。このことから、能力を引き出したり、機会の提供を表現するときに使用されます。
ここで、Cambridge Dictionaryからenableの定義を紹介します。
訳)誰かが何かをできるようにしたり、何かを可能にしたりすること。
英語にするほうがシンプルな表現になることがありますが、このenableの定義もその一つでしょう。
引用:Cambridge Dictionary “enable”
enabledの意味
さて、enable関連で、語尾に-dをつけたenabledという単語があります。
enabledは過去形・過去分詞
enableの品詞は動詞です。そして、動詞の活用はenable-enabled-enabledとなります。
ここで、現在形と過去形2つの例文をみてみましょう。
訳)晴天に恵まれる日は、公園で楽しむことができます。
訳)晴天に恵まれ、公園で楽しむことができました。
天気が良い日は公園が良いということをenableの動詞を変化させた形で紹介しました。ここでは、enableが動詞だという点、そしてenableの「できる」という意味には「可能にする」というニュアンスが含まれていることを押さえることが重要です。
enable 人 to doの意味
enableを使用する際のenable 人 to doというパターンがあります。このフレーズの意味と使い方をみていきましょう。
enable 人 to do
ここで紹介するパターンenable 人 to doもよく使われます。enableには「可能にする」という意味があったことを思い出しましょう。このことから、enable 人 to doは「(人)が〜することを可能にする」の意味になります。「~すること」はto doの部分ですね。
理解を深めるために例文を挙げてみましょう。
訳)新しいアプリは人々が外国語を学ぶことを可能にします。
皆さんも使用しているかもしれませんが、英語学習の一つの方法にアプリ利用があります。この例文はアプリによって、人々が外国語学習することを可能にする、という意味です。
さらに、enable A to doとして、Aの部分にモノを当てはめてenableを活かした英文を作ることもできます。例えば、新しいソフトウエアはビジネスにおいてのスケジュール管理を可能にする、のような表現をしたい場合です。この場合、何がAに当てはまりますか?答えは「ビジネス」ですね。
「有効」の対義語2選
さて、enableには「有効にする」や「使用可能にする」という意味もあります。次に有効の対義語(反対語)である「無効」、そしてその英語表現を2つ紹介します。
disable
disableは「無効にする」という意味の動詞です。
dis+ableに分けてみると、disには「反対のこと」、ableには「十分に満たしている」ことから、disableの意味が「無効にする」になることが理解できます。特に、機械やシステム機能や能力が無効になること、また受け身形で障がいを持つ人を指す言葉です。
訳)サイバー攻撃は、コンピュータシステムを無効にした。
invalid
invalidは形容詞として「無効な・効力のない」の意味があります。特に、法律上、論理的に無効であることを表現します。
訳)無効な書類を証拠として使用することはできません。
enableの例文
ここからは、enableの使い方をみていきます。例文を紹介しますのでぜひ理解にお役立てください。
enableの例文紹介
訳)地方議会の予算によって、イベントを企画することが可能になります。
訳)国際言語としての英語は、人々のコミュニケーションを可能にします。
訳)彼はロンドンに家を買うことができる仕事が必要だった。
さて、2024年9月19日、イギリスで衝撃的スキャンダルがニュースになりました。多くの日本人も訪れる、あのロンドンの老舗中の老舗高級デパートHarrodsの元オーナーであるモハメド・アル・ファイド氏によって25年間に渡り、数十人の女性たちが性的暴行されたという疑惑です。そのなかには当時、15歳の少女もいました。アル・ファイド氏は2023年8月30日に死去しています。しかし、これまで隠されてきた、またはもみ消しされてきた、彼がオーナーだった時期の性的暴行にようやく光が当たったのです。日本の某事務所の話と似ていませんか?
このニュースについては、BBCではドキュメンタリーの番組も放送しました。ここで、BBC Newsからこの事件についての英文にenableが使われている箇所を紹介します。
訳)ハロッズの元オーナー、モハメド・アル・ファイドは、ロンドンの店舗に浸透していたシステムによって可能となった怪物だった、と告発者側の弁護士が述べた。
pervadeは「充満する・行き渡る」、accuserには「告発人・告訴人」の意味があります。そのシステムさえなければ、彼が怪物になることはなかったということをenableが表しています。このシステムとは、アル・ファイド氏が雇っていたセキュリティ陣営や、ある被害者の女性が訴えたけれど深刻に受け取らなかった上司などによる行為と言えるでしょう。
引用:BBC News “Fayed was ‘a monster enabled by Harrods’, says lawyer”
ableとenableの使い分け
最後に、enableと使い分けをはっきりさせたいableとの違いを解説します。
able vs enable
enableは動詞でしたね。一方のableは「〜することができる・能力がある」といった意味の形容詞、品詞が大きな違いです。形容詞のableにablesと-sがつくことはありません。
形容詞ableに動詞化する接頭辞のenがついたものが、enable(動詞)だという理解をしましょう。
番外編 be able toとcan
ableは、be able toの形で使用され、canと比べるとかためのニュアンスになります。Are you able to do this for me?のように何かをお願いする場合は友人にも使うことがありますが、基本的にはビジネスやあまり知らない人への表現です。be able toがフォーマル、canがカジュアルという捉え方がひとつあります。
さらに、I will canという英文は文法上あり得ませんので、I will be able toとするパターンもあります。
まとめ
形容詞ableに動詞化する接頭辞enがついた形のenableは「できるようにする」「~を可能にする」「有効にする」の動詞です。
enable 人 to doのパターンを使えるようにしていきましょう。
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