天気や気分はそのときによって変わりますし、好きな食べ物も年齢によって変化したりします。変わると言いたいときの英語は多くの人がchangeを考えるところですが、ではvaryという単語をご存知ですか?
この記事では「変わる・変える・多様にする」の英語varyを解説します。様々な使用パターンやchangeとの違いも紹介しましょう。
varyの意味と使い方
varyを使うと、いつも同じではないことや、時々変わること、さらに複数のものがある場合にはそれらが同じではないといったことを表現できます。
動詞varyの意味
varyは動詞として「変わる・変化する」や「異なる」「多様にする」の意味で使用される単語です。varyをあまり見たことがないなという方でも、関連する言葉variety(多様性)、various(様々な・いろいろな)、variation(変化・違い)はご存知かもしれませんね。
varyの類語にはdiffer(異なる)やalter(変える・変更する)などがあります。そして、次で紹介するchangeもvaryの類語です。
varyとchangeの違い
varyの持つ「変わる」という意味を考えるとき、changeに気づく人がいるかもしれません。varyとchangeはお互いに類語ではありますが違いもあります。
varyは部分的に変更したり、サイズ・量・程度や性質によってアイテムを区別することを言います。
一方changeですが、違いを生み出したり何かを完全に置き換えることまで表現します。概念が根本的に変わる場面で、change your mindのように使われることがあります。
動詞varyの使い方
veryと似ているスペリングのvaryですが、veryは副詞や形容詞として使われ、varyは動詞です。動詞のvaryは時制や主語によって活用させる必要があり、それがvary-varied-varied、現在分詞はvaryingになります。さらに主語が三人称単数かつ現在形のときはvariesと変化させます。
親しみがあまりない単語は、例文で実際の使い方を見ることで理解に役立ちます。
訳)天気によって、私の気分は変わるようです。
varyの「変わる・変化する」を使った例文です。
天気次第で気分の変化が起こる人は多いかもしれません。筆者の住むイギリスの冬は晴天の日は珍しくメンタルにきてしまうという声を聞くことがあります。
訳)英語の方言は、場所によって変わります。
方言が地域によって「異なる」ことをvaryが表しています。多様であるとも言えるでしょう。
vary・veryの発音
veryは副詞や形容詞として、皆さんにも大変親しみのある単語です。とても似ている単語vary・veryの発音を比べてみましょう。
vary・veryの発音
動詞varyはIPA表記でvé(ə)ri、カタカナ語の読み方はヴェアリィです。一方、veryのIPA表記はvéri、カタカナ語ではヴェリィのようにします。
Vの発音のコツは、上前歯を下唇の内側に軽く当てて歯と唇の間からヴェと声にします。
vary from a to bの意味
再びvaryの使い方に戻り、ここではvary from a to bのパターンを紹介します。
vary from a to bで「aからbで異なる」
vary from a to bの形にすると「aからbで異なる」や「aからbまでで差がある」の意味になります。
例えば、お天気は毎日同じということがありません。晴れ、曇り、雨、雪、強風など日によって変わることがあります。
訳)お天気は日によって異なります。
当たり前のようなことですが、このような英語ほどどう表現するのか難しかったりします。主語が三人称単数かつ現在形の英文なのでvaryをvariesに変化させています。
訳)アフタヌーンティの価格はレストランによって差があります。
どこでアフタヌーンティをしようかという会話で、いくらかかるか費用も大きなポイントです。The Ritzでは76ポンドから、街のカフェでは15ポンドほどと大きく異なります。ぜひ、vary from a to bのパターンで会話を楽しみましょう。
vary inの意味
次はvary inという使用パターンを解説します。
vary inで「〜の点で異なる」
異なる点を述べる際に「~の点で異なる」「~の点で違う」と明確にすることがあります。何かが一致しないような属性や特徴の違いがある場合にvary inを使用します。例えば、vary in opinionで「意見が異なる」で意見が一致しないことを表します。
訳)人の服装はスタイルによって違います。
訳)靴のサイズは、国によって異なります。
サイズの点で、靴や服は国によってサイズが違いますね。こういったときにもvary inを使用します。
vary byの意味
続けて、vary byという表現の紹介です。byの持つ意味と合わせてみていきましょう。
vary byで「~によって異なる」
前置詞byには「~によって」の意味があり、vary byにすると「~によって異なる」になります。どのような要因があって物事に差が出るのか表現します。
訳)不動産価格は、地域によって異なります。
同じ大きさの一軒家でも、建てられている地域によってその価格は大きな違いがあります。
can varyの意味
可能性を表す変化を述べるときにvaryにcanを加えた形にすることがあります。
can varyで「異なる場合がある」
訳)旅行の予算は為替レートによって異なる場合があるよね。
為替レートに影響されることもあればされない場合もありますが、この例文では多くの旅行者が考慮するのが為替レートを予算にかかわる可能性として述べています。
vary withの意味
ここではvary withが「~で変化する」という意味で使われることを紹介します。
vary withで「〜で変化する」
どのように変化するかを説明するとき、vary withで「~で変化する」と表現します。ちなみに、vary byではどのような要因があって物事に差が出るのか表現でした。
訳)季節によってメニューが変わりますので、いつでも旬の食材をお楽しみいただけます。
訳)ライフスタイルは文化によって異なります。
なお、vary withをvary depending on(によって)に置き換えることができます。
may varyの意味
最後に紹介するのは、ビジネスでも使用されるmay varyという表現です。
may varyで「変化する可能性がある」
ビジネスの免責文書のひとつとして、may varyが使用されることがあります。免責文書とは特定のリスクに対する警告を伝えるための文書です。あらかじめ言及することで責任を負うものではないことを示します。
訳)実際の商品は異なる場合があります。
訳)数は変わる可能性がございます。
助動詞であるmayの「〜かもしれない・〜する可能性がある」を使用したmay varyもぜひ覚えましょう。
まとめ
動詞varyは「変わる・変化する」や「異なる」「多様にする」の意味を持ち、バリエーションがあることや変化に関わることを表現します。様々な前置詞との組み合わせで、使える表現を増やしていきましょう。
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