サッカーワールドカップなど、スポーツの試合開始前やオリンピックの表彰式などで歌われるのが「国歌」です。ここで気分が盛り上がる人もいるでしょう。さて、日本の国歌は君が代ですが、国家の英語をどう表現するかご存知ですか?
この記事は海外に目を向けることが多い英語学習者にとって覚えたい英語anthemを解説します。anthemの意味や正しい使い方、イギリスやアメリカの国歌も紹介しましょう。
アンセムの英語anthemの意味
本記事で紹介するのは国家ではなく「国歌」です。国歌とは、国民的祭典や行事で国民または国家を代表するとして歌われる歌を指します。国歌を英語ではanthemで表現します。
anthemの意味
anthemは「国歌」として使われる名詞です。anthemの発音はǽnθəmであり、カタカナ語の読み方はアンセムが近くなります。
国歌という場合にはnational anthemとすると、外国人にさらに伝わります。nationalには国の、国家の、国民の、全国的なといった意味があるためです。
訳)日本の国歌はなんですか?
訳)日本の国歌は「君が代」です。
国歌は多くの国旗とともに、スポーツイベントで演奏されることが多いですね。普段はそうでなくても、国と国の代表が競う場面で自分の国を意識させられるような、感情の高揚を感じる機会になり得るのが国歌を聞いたときです。
日本以外で、皆さんが好きな国の国歌も調べてみてはいかがでしょう?
国歌以外のanthemの意味
さて、anthemには国歌以外の意味もあります。
それが、何かを褒め称える歌である「讃歌」であったり、キリスト教の「交唱歌」です。
なお、学校の歌(校歌)をschool songやschool anthemと表現します。それで言うのであれば、企業の歌(社歌)も、company songやcorporate songとともに、company anthem/corporate anthemと表します。companyとcorporateをfirmに置き換えることもあります。
いずれにしても、国家や組織・施設などを代表する歌がanthemということが分かりました。
anthemの意味 – スラング
anthemをスラングとして使うことがあります。どのような意味で使われるのかみていきましょう。
スラングanthem
anthemは歌を表す単語でした。そこから派生して、人気のある曲をスラングとして表現することがあります。より幅広い聴衆に届いた曲という捉え方ができます。
ちなみに、オタクの人にとっては絶対に耳にしたことのあるような思い入れの強い曲をアンセムと呼ぶようです。
anthemの使い方
ここでは、名詞anthemの使い方を例文で紹介します。どのように英語に取り入れるのかみていきましょう。
anthemの使い方
訳)世界のほとんどの国には独自の国歌があります。
ところで、地中海東部に位置するキプロスには独自の国歌がないそうです。その代わりに、ギリシャの国歌を使用しています。ちなみに、このギリシャ国歌Hymn of Libertyは世界でもっとも長い国歌と言われています。
訳)自分の国の国歌を歌える?
訳)う~ん、歌えないと思う。
訳)集会で、生徒全員が校歌を歌いました。
訳)フットボール選手達はキックオフ前、胸に手を当て国歌を歌います。
訳)私は教会でゴスペルの讃美歌を聴いています。
anthemの類義語2選
次に紹介するのは、anthemの類語です。ここでは、もっとも一般的なsong、そしてhymnという2つの表現を紹介します。
song
すべての英語学習が知っているとも言える、大変身近な単語がsongです。改めてsongを辞書で調べてみると「歌・歌曲・歌うこと・詩」に加え、鳥や虫のさえずりも含まれることが分かります。上でもすでに、school songやcompany songということでanthemに置き換わる単語としてsongを紹介しています。
訳)日本では、多くの企業では従業員が毎朝、社歌を歌います。これは、従業員と会社の絆を強めるやり方です。
hymn
hymn(ヒム)は特に、キリスト教における宗教的な歌を意味します。anthemにも交唱歌・讃美歌の意味がありますので、類義語として使用します。
訳)アメイジング・グレイスは、人気のあるキリスト教の讃美歌のひとつです。
国歌(アメリカ・イギリス・日本・・・)紹介
国歌の英語表現はnational anthemでしたね。最後に、いくつかの国の国歌タイトル、イギリスの国歌に関するトリビア、そして世界で一番短い国歌を紹介しましょう。
各国の国歌紹介
日本の国歌は「君が代」です。英語圏をメインに、国歌のタイトルを紹介します。
イギリス God Save the King
アイルランド Amhran na bhFiann
アメリカ The Star-Spangled Banner
カナダ O Canada
オーストラリア Advance Australia Fair
ニュージーランド God Defend New Zealand
シンガポール Majulah Singapura
フィリピン Lupang Hinirang
南アフリカ共和国 The Republic of South Africa
マルタ L-Innu Malti
イギリス国歌God Save the King
イギリス王室のサイトによれば、God Save the Kingは、1745年にロンドンで初めて公に演奏されました。エディンバラ近郊のプレストンパンズにおいてジョージ2世の軍隊を破り、この知らせがロンドンに届くと愛国心が高まりました。そして、ドルリーレーン王立劇場の楽団長が劇の後に演奏するGod Save the Kingを編曲しましたが、これが大成功で毎晩繰り返し演奏されたのです。
その後、19世紀初頭にGod Save the Kingが国歌として知られるようになりました。
参考:The Royal Family “National Anthem”
世界で一番短い国歌とは?
さて、ギリシャ国歌Hymn of Libertyは世界でもっとも長い国歌ということを上で触れました。では、一番短いのはどこの国でしょう?
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答えは、実は日本。日本の国歌「君が代」は世界で一番短い国歌と言われています。歌詞が一番しかないのがその理由です。そして、実は初代の君が代作曲にはイギリス陸軍が関係しています。もとの歌は平安時代の古今和歌集と言われていますが、始まりは「君が代」ではなく「我が君は」でした。その後、日本の国際化が進むなか、薩摩にきていたイギリス軍楽隊から日本を代表する歌がないのか言われたのが国歌君が代誕生のきっかけだったようです。
まとめ
本記事では、国歌や組織・施設などを代表する歌anthemを紹介しました。好きな国の国歌anthemを覚えると、スポーツイベントのオープニングがもっと楽しくなるかもしれませんね!