「レセプション」という言葉を聞いたことはありませんか?
「レセプション」は、お店の新規オープンやホテル、結婚式などのパーティー、またビジネスシーンなどでもよく使われているとても身近な言葉です。
みなさんは、「レセプション」と聞いて、どんなイメージを持ちますか?
「受付のこと?」「宴会かな?」と、あいまいな意味のまま、なんとなく使ってはいないでしょうか。
なかには「意味は知らないけど、いまさら聞けない…」と、困っている方もいるかもしれません。
今回は、そんな知っているようで知らない「レセプション」の正しい意味と使い方を解説していきます。
「レセプション」の意味
「レセプション」は、英語の”reception”をそのまま発音したカタカナ語です。
「歓迎会」や「招待会」、「受付」などの意味があり、「レセプションパーティー」や「レセプションデスク」のように使われます。
「レセプション」の使用例
・このホテルのレセプションはどこですか? ・レセプションの求人募集があります。 ・出席される方はレセプションホールにお集まりください。 ・先日参加したレセプションパーティーは大変盛り上がっていました。 ・新商品発表のレセプションの招待状が届いています。 |
普段耳にすることの多い「レセプション」の使い方を3つ紹介します。
「レセプションパーティー」
「レセプション」という言葉自体、公式のビジネスパーティーを指していますが、日本語では「レセプションパーティー」と呼ぶことも多いです。
一般的に、お客様を招待する歓迎パーティーのことを「レセプション」と呼び、お店の新規オープンや創立記念のお祝いだったり、新商品のお披露目だったり、ファッションショーなどが該当します。
「レセプション」は、ビジネスにおける情報発信だけでなく、社交や交流を目的としたオフィシャルな場です。
和やかで楽しい雰囲気ですが、目的はあくまでもビジネスのため、マナーを守ったうえでの参加が望ましいでしょう。
レセプションパーティーでは、ドレスコードが指定されている場合が多く、服装はフォーマルスタイルが基本です。
過度な露出は控え、アクセサリーも華美になりすぎないように、ビジネスの一部だということを意識して出席するのがベターといえます。
「レセプションデスク」
「レセプションデスク」は、「受付カウンター」のことを指します。
会社やホテル、レストラン、劇場、ホール、美容室、病院など、来訪者が最初に向かうところを「レセプションデスク」と言います。
受付業務そのものを指して「レセプション」と呼ぶこともあるのでどちらも覚えておくと良いでしょう。
「レセプションデスク」の業務に携わる人は「レセプショニスト」と呼ばれることもあります。
企業や店舗の顔となる重要な役割を担っているので、身だしなみや言葉遣い、マナーなどにおいて高いレベルが求められます。
ちなみに、日本のホテルでは、「フロント」という表記をよく見かけますが、受付を意味する「フロント」は和製英語です。
海外では受付のことを「フロント」ではなく、”reception”もしくは”front desk”と呼ぶと覚えておいてくださいね。
「レセプションルーム」
「レセプションルーム」は、「ゲストをもてなす部屋」を意味した言葉です。
ホテルの宴会場や、会社で訪問客をもてなすための部屋のことを指します。
レセプションパーティーを行う大きな会場は、「レセプションホール」と呼ばれることもあります。
待合室を「レセプションルーム」と表示している施設や病院も少なくありません。
待ち合わせ場所で「レセプション」と言われたときは、レセプションデスクなのか、レセプションルームなのかあらかじめ確認しておくとよいでしょう。
”reception”の意味
”reception”は、「受付」や「歓迎」、「評判」、「受信」などいろいろな意味を持っている単語です。
公式に催される歓迎会、パーティーといった意味合いで用いられることが多く、ビジネスシーンでよく使われています。
辞書では以下のように定義されています。
- (物を)受け取ること,受理,受領
- (人の)受け入れ,出迎え,歓待,もてなし
- 歓迎会,レセプション,祝賀パーティー
- (会社やホテルなどの)受付、フロント
- (組織などへの)入会,加入
- 評受信状態判,反応,反響
- 受信状態
参考:goo辞書
- a formal party to welcome someone or to celebrate something
歓迎やお祝いのためのフォーマルなパーティー- the act of welcoming someone or something
誰かや何かを歓迎する行為- a place inside a hotel or office building where visitors go when they first arrive
ホテルやオフィスビルの中にある、来客が到着したときに最初に向かう場所- the way in which people react to a new idea, product, or person
新しいアイデア、製品、人物に対する人々の反応の仕方- the quality of sound and pictures on a radio, television, mobile phone, etc. when it is used in a particular place
ラジオ、テレビ、携帯電話などを特定の場所で使用したときの音や映像の質
”reception”の発音記号は、 /rɪˈsep.ʃən/ で、カタカナでは「リセプシュン」のように読みます。
ローマ字読みの「レ」に惑わされず、「リ」で始まると覚えておきましょう。
英語由来のカタカナ語は、本来の発音とかけ離れている場合が多いですが、”reception”は「レセプション」と似ている読み方なので比較的発音しやすい単語といえます。
”reception”は、15世紀後半頃の「取り戻す」「受け取る」を意味するラテン語”recipere”に由来しています。
後に、「(人々を)正式かつ儀式的に受け入れる行為」や「正式かつ儀式的に受け入れられる状態」という意味で使われ、現在の「式典的な集まり」「歓迎や挨拶の場」を表すようになりました。
語源が同じ単語には、”receive”(レシーブ)や会計の後に出る”receipt”(レシート)があり、どちらも相手からボールを受ける、会計時にもらうという「受け取る行為」が含まれているのがわかります。
「受け取る」という意味から派生し、「受け付ける」あるいは「受け入れを歓迎する」を表すようになったのにも納得ですね。
”reception”を使った例文
いろいろな意味を持つ”reception”は、どのように使ったらいいのでしょうか。
”reception”の意味に分けて例文を紹介します。
「歓迎」や「パーティー」を表す”reception”
A reception was held to welcome the new president yesterday.
訳)昨日、新社長の歓迎パーティーが開かれました。
The reception will start at 6 p.m. and will be held in the grand ballroom.
訳)レセプションは午後6時から、グランドボールルームで行われます。
Emily and John booked a violinist for their wedding reception.
訳)エミリーとジョンは、結婚披露宴のためにバイオリニストを予約しました。
Mary made a wonderful speech at her friend’s reception.
訳)メアリーは、友人の祝賀会ですばらしいあいさつを述べました。
「評判」や「反応」を表す”reception”
Katy and Ryan received a warm reception at their new workplace.
訳)ケイティとライアンは、新たな職場で熱烈な歓迎を受けました。
My mother always gives a warm reception to guests.
訳)母はいつもゲストを温かく迎えます。
I did not expect the cold reception I received from my superiors.
訳)まさか上司から冷たい反応をされるとは思いもしませんでした。
The new policy had a mixed reception among employees.
訳)新しい方針の評判は、従業員の間で賛否両論に分かれていました。
「受付」や「フロント」を表す”reception”
Please check in at the reception desk when you arrive at the hotel.
訳)ホテルに到着したら、受付でチェックインしてください。
You can turn your visitor’s identification card in at reception as you leave.
訳)お帰りの際には、フロントにて訪問者証をご返却ください。
She is filling out a form and leaving a key at the reception desk.
訳)彼女は、フロントで書類を記入して、鍵を預けています。
I asked the clerk at the hotel reception to dial the number for her.
訳)ホテルの受付スタッフに、その番号に電話をくれるよう頼みました。
「受信状態」を表す”reception”
Television reception is poor here.
訳)ここはテレビの映りが良くありません。
The radio also has poor reception in this area.
訳)この地域ではラジオの受信状態も悪いです。
With no phone reception, we weren’t able to call anyone for help.
訳)携帯電話の電波がなくて、誰にも助けを求められませんでした。
Just remember — there is no phone reception, nor are there toilets or showers.
訳)携帯電話は圏外、トイレとシャワーがないことは覚えておいてください。
まとめ
知っているようで知らない「レセプションについて、”reception”の正しい意味と使い方を解説しました。
「レセプション」は、「受け取る」を意味するラテン語由来の英単語”reception”からきたカタカナ語です。
歓迎(パーティー)やホテルなどの受付のほか、世間の人からの反応、電子機器の受信状態といったいろいろな意味を持っています。
カタカナ語で聞き慣れている英単語は、発音や用法を間違って覚えてしまいがちです。
英語本来の意味をひとつひとつ理解し正しく使うことで、英語力は着実に身についていきます。
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