正しい英語、丁寧な表現などは教科書やレッスンで学ぶことができます。しかし、ネイティブたちが使うくだけた言い方というのはなかなか知ることがありません。
ところで、かなりの口語である「ばかげてる」「ダサい」「かなりひどい」「信じられない」と言うときの英語がパッと頭に浮かびますか?
この記事では、それらを意味するwackとwhackという表現について使い方を解説します。アメリカ英語とイギリス英語の違いも学びましょう。
アメリカ英語wackの意味 – スラング
さて、wackはとくにアメリカで使われるスラング表現です。カタカナ語の読み方はワック、さっそくwackをみていくことにしましょう。名詞と形容詞に分けて紹介します。
ちなみに、中華鍋はwokでウォクと発音しますがお間違いのないよう。wackを理解するため、類語も紹介しましょう。
名詞wackで「変人・奇人」
名詞wackで「変人・奇人」を表現します。何だか奇妙だったり風変わりなことを表すときのスラングがアメリカで使われています。変人・奇人は変わっている人と周りが評価しますが、本人はそんな周囲の目を気にしなかったりします。ある意味、メンタルが強いですね。
例えば、あなたの友達が変人だったとします。それを他の友達に話す場合には、以下のような会話ができるでしょう。
訳)私の友達は変人で、虫のことばっかり話すのよ。
訳)彼は専門家かもしれないけど、君はいろんなことについて彼とおしゃべりしたいんじゃないかな。
ところで、変態は変人とは違いますし、英語もwackではなくpervo/perversionが変態の表現になりますので使い分けが必要になります。
形容詞wackで「ダサい」
That’s wack!とアメリカ人が言ったら、それは「ダサい」に始まり、「ばかげてる」「かなりひどい」「信じられない」といった意味になります。
wackを英語で説明すると”The word “wack” means something is strange, odd, or unconventional.”であり、奇妙な・変な・型破りなことを意味する言葉となります。
wackの類語と対義語
wackには良い意味がありませんが、以下の類語を知ることでさらに理解が進みます。
poor/bad/lame/bastard/pathetic
poorやbadとありますが、実際にはextremely(極めて・非常に)がつくくらいのレベルがwackです。lameは「ダサい・時代遅れの」、bastardは「ろくでなし・まがい物・胡散臭いもの」、patheticには「ばかげた・情けない」などの意味があります。
一方、対義語に当たるのは以下になります。
fine/okay/all right/acceptable
イギリス英語whackの意味 – スラング
次に紹介するのは、イギリス英語のスラングwhackです。アメリカ英語wackと同様で「ダサい」「かなりひどい」として使われます。しかし、もう一つ、少し怖い意味を持っているスラングです。
whackで「殴る」
whackは動詞で「殴る」「ぶっ叩く」の意味です。
動詞活用はwhack-whacked-whackedです。
訳)彼女がバックパックで私を殴った!
訳)うちの親は、頭のあたりを叩いたことは一度もなかった。
訳)ピニャータは誕生日パーティで子どもたちが叩くおもちゃとして、いつでも人気があります。
叩くときのwhackは音がたつような叩き方です。これに関連して、擬音語として、バシッ・ピシッとしてもwhackが使われます。ちなみに、ピニャータはメキシコのくす玉のようなもので、カラフルな紙でできたロバなどの人形などのなかにお菓子が入っています。ピニャータを吊るして棒で叩いて割れば、お菓子がなかから出てくるという遊びです。
whack vs hit
叩くと言えばお馴染みの単語hitがあります。whackとhitの違いですが、前者のほうがカジュアルな表現です。これはスラングということから分かりますね。加えて、hitよりwhackのほうが力強い打撃、whackはバシッ・ピシッという音を表現しますが、hitにはそのような意味がありません。
wackの意味 – ヒップホップ
ここで、wackに戻りましょう。wackはヒップホップやストリートダンスで使われる言葉でもあります。
ヒップホップのwack
1970年代、ニューヨークのブロンクスで生まれた黒人文化がHIPHOPです。ヒップホップは音楽・ダンスそしてファッションで文化を表現します。HIPHOPでもwackは「ダサい」「まったくダメな」「まがい物・偽物」として使用されます。「◯◯はwackだな」というのは、ダサいラッパーだというスラングの意味になります。
wackがアメリカのスラング、ブロンクスで生まれたHIPHOPという共通項がここにあります。
スラングWackyの意味
ここでは、さらにwackyというスラングも紹介しましょう。wackyはワッキィのように発音しますが、お笑いタレント・ペナルティのワッキーさんとは無関係です。
wackyで「頭のおかしい」「いかれた」
wackyは「頭のおかしい」や「いかれた」という意味を持つ形容詞です。クレイジー(crazy)に相当し、何かが普通でなく、ばかげていることを表しますが、悪い意味だけでなくユーモアあって面白い、楽しい馬鹿騒ぎといったニュアンスでも使われます。
訳)いかれた友達と時間を過ごすのが大好き、いつも部屋中に笑い事が響き渡るわ。
訳)私たちは新築祝いのパーティのために奇抜なアクティビティをいくつか計画したんだ。きっとめちゃ楽しいはず!
wackの使い方
ここまで、スラングwackの解説をしてきました。最後に、使い方をさらなる例文で紹介しましょう。「変人」、そして「ダサい」「ばかげてる」「かなりひどい」「信じられない」などの意味をご確認ください。
wackの例文
訳)彼女が母親にそう言ったなんて信じられないことだよ。
訳)このホテルのインテリア、ダサ。好きになれないわ。
訳)父は良い意味で、変人だと言えます。
訳)私の知る限り、それらはばかげてるルールです。
訳)彼が他の女の子と一緒にいたの見たの?それってかなりひどい!
訳)本当にこのダサい仕事辞めたいよ!
まとめ
本記事ではスラングで使われるwackやwhackを紹介しました。「変人」「ダサい」「ばかげてる」「かなりひどい」「信じられない」を表現する表現です。
スラングということでかなり失礼で軽蔑的になり得ますので、使う相手は本当に親しい間柄に限定しましょう。
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