英語でひととやりとりをするときに、覚えておきたい表現のひとつが「返信ありがとう」です。手紙以外にも、E-mailやチャット、SNSなど、いろいろな場面で使いますよね。
英語では主に”Thank you for your reply.”や”I appreciate your response.”などの表現を使います。
プライベートやビジネスのいかんを問わず、何かを尋ねる内容のメッセージを送ったときや、ある事柄を確めてほしいとき、急いで返事がほしいタイミングで相手が対応してくれたときなど、「返信ありがとうございます」の表現は頻繁に使います。
この記事では、そんな「返信ありがとう」を表す英語表現を、意味合いや場面ごとに紹介します。
一般的な「お返事ありがとうございます」を表す英語表現
「お返事をありがとう」「返信拝受」「貴信拝読しました」など、「お返事ありがとう」は日本語でもいろいろな言い方がありますね。
まずは最初に、もっとも一般的な「お返事ありがとう」を表す英語表現をおさらいしましょう。以下の英語表現が使えます。
Thank you for your reply.(お返事ありがとう)
オーソドックスに「お返事ありがとう」を表すときは”Thank you for your reply.”という表現が使えます。
【語句の説明】
- thank you for ~ 「~にありがとう」で感謝の気持ち
- reply(リプライ)は広く「返事」を意味する名詞、”your reply” で「あなたのお返事」
全体で「あなたのお返事にありがとう」と、返信への感謝を表現できるわけですね。
「X」(エックス)でも使われる reply
人気のSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)のひとつ、「X」(エックス)でも、だれかの投稿に対して返信する機能は「リプライ」とカタカナで表示されています。
エックスで返信する感覚で “reply” を使うことができたなら、OKです。
“Thank you for your reply.” の表現といっしょに “reply” の意味も覚えてしまいましょう。
SNSは英語でなんと言う?
「X」の話をしたので、SNS関連の英語にも少し触れておきます。
- SNS は Social Network Service (ソーシャルネットワーク・サービス) の略
SNS は日本の新聞などでは「交流サイト」と説明されています。実社会では知らないひととも、インターネット上でコミュニケーションがとれることを表現したものでしょう。
また、2023年に改称される前、「X」は「Twitter」(ツイッター)という名前で知られていました。
インターネットのコミュニケーションツールの一つで,英語のtweetsは〈小鳥のさえずり〉〈くすくす笑い〉の意味だが,日本では〈つぶやき〉と訳されている。
【語句の説明】
- tweet /twíːt/(ツイート) 動詞で「小鳥が鳴く」こと、名詞では「さえずり(声)」
- twitter /twíṭɚ|‐tə/(ツイッター) 名詞で「さえずり」、動詞では「小鳥がさえずる」ことのほかに、
- twitter on (about) 「~について(興奮して)ぺらぺらしゃべる」
などの意味があります。会話や文章でも使えそうな表現ですね。
I appreciate your response. (お返事ありがとうございます)
英語は、日本語に比べると率直で明解な表現を好みますが、敬語がないわけではありません。より正確にいうならば、同じ単語を使ったとしても、敬意を示す丁寧な表現はやはりあります。
社会的な地位が高いひとや目上のひと、またはサービスを提供する側が顧客に対しては、敬意を払ったり、婉曲な言い回しで相手の立場を慮る表現があり、気軽な友だち同士とは違う表現を覚えておくと役に立ちます。
Thank you for your reply. (お返事ありがとう)よりも感謝の気持ちを表現したいときには、“I appreciate your response.”を使って、「お返事ありがとうございます」をより丁寧に表現できます。
【語句の説明】
- appreciate /əpríːʃièɪt (米国英語), ʌˈpri:ʃi:ˌeɪt (英国英語)/(アプリーシエイト) 「~を高く評価する」という動詞
「感謝する」という丁寧な言い方で使いますが、ここでは、相手のしてくれた返信を「高く評価する」「価値を認める」=「感謝する」という意味合いになります。
- response /rɪspάns (米国英語), rɪspˈɔns (英国英語)/(リスポンス) 「反応」「応答」を意味する名詞
日本語では「レスポンス」とカタカナ書きされることが多いので、英語の発音には特に注意が必要な単語です。
- respond /rɪspάnd (米国英語), rɪspˈɔnd (英国英語)/ 「反応する」「応答する」を意味する動詞
“Thank you”(ありがとう)の部分を”I appreciate”(感謝します)と表現することで、より丁寧に表現できるわけですね。
「お返事」「返信」の言い方
最初の “Thank you for your reply.”(お返事ありがとう)で説明した通り、一般的には “reply” が使えます。
これに対して “response” は、もっと広い「反応」を意味する語で、単に文章による返信だけでなく、対面での「反応」や行動による「反応」も含んでいる、より形式ばった印象の、言い換えると正式な文書にふさわしい単語です。
その他に、”your reply” を “your message”(あなたのメッセージ)、”your e-mail “(あなたの e-mail)、”your letter”(あなたの手紙)と置きかえることもできます。
何かを尋ねた場合の返信については、Q&A (question and answer) などに出てくる answer も使えます。
- answer /ˈænsɚ (米国英語), άːnsə (英国英語)/ 「答え」「回答」を意味する名詞
Thank you very much for emailing us back. (Eメールのお返事ありがとう)
やりとりがEメールの場合は、「お返事ありがとう」を”Thank you very much for emailing us back.”という表現でも言い表すことができます。
「わたしたちにEメールを返してくれてありがとうございます」(お返事ありがとうございます)という意味になるわけです。ここで使う”us”(わたしたち)は、企業や団体の場合、「当社」「弊社」「当会」「本会」などを指します。
個人の場合は、もちろん me(わたしに)に置き換えできます。
【語句の説明】
- e-mail /íːmèɪl (米国英語), ˈi:ˌmeɪl (英国英語)/ 「Eメール」という名詞のほか、「Eメールを送る」という動詞
なお、現在は「Eメール」のほうが普及していますが、もともとの言い方があります。
- electronic mail 電子メール
「Eメール」と「メール」の違い
当然ながら、「Eメール」が登場したのはインターネットが一般に普及して以降のことなので、それ以前に英語を身につけたひとにとっては「新語」です。「返事」という言葉を使わずに、”Emailing us back”のように動詞として直接的な表現に使うことに抵抗を感じる場合もあるかもしれません。
時と場合、相手によっては “Thank you for your reply.”(お返事ありがとう)のほうがふさわしいことがありそうです。
なお、日本語ではついつい略して「メール」と言ったり書いたりしてしまうことがありますが、英語では「郵便」という単語もあるので注意が必要です。
- mail /méɪl(米国英語), meɪl(英国英語)/ 「郵便」「郵便物」という名詞、「郵送する」「(ポストに)投函する」という動詞
長く使われてきた”mail”という語と使い分けましょう。特に仕事のやりとりでは、「Eメールで送る」のか「郵便で送る」のか、混同されることがないように、はっきり区別する必要があります。
ところで、特にビジネスの場面で使う「連絡ありがとう」にはいろいろな言い方があります。次の記事では、仕事で役立つ表現を紹介していて、参考になります。
「早速のお返事をありがとう」を表す英語表現
続いて「早速の」「素早い」+「お返事をありがとう」と、相手の対応が早かったときに使える表現をおさらいしましょう。たとえば何かをEメールで問い合わせて、すぐ返事が来たときなどに使えますね。
Thank you very much for your quick reply. (早速のお返事をありがとう)
オーソドックスに「早速のお返事ありがとうございます。」と伝えられるのが、” Thank you very much for your quick reply.” です。
最初の “Thank you for your reply.”(お返事ありがとう)に、「早い」を意味する “quick” を加えて、お返事を「素早く」もらえたことに対して、お礼を伝えたいときに使えるフレーズです。
【語句の説明】
- quick /kwík/ 「素早い」「迅速な」を意味する形容詞で、your reply(あなたのお返事)にかかります。
「早い」を表す単語としては、他にこのようなものがあります。
- speedy /spíːdi(米国英語), ˈspi:ˌdi:(英国英語)/ 「速い」「早速の」「迅速な」を意味する形容詞
- prompt /prάm(p)t(米国英語), prˈɔm(p)t(英国英語)/ 「即座の」「迅速な」を意味する形容詞
- swift /swíft(米国英語)/ 「速い」「迅速な」を意味する形容詞
- immediate /ɪmíːdiət(米国英語), ˌɪˈmi:ˌdi:ʌt(英国英語)/ 「早速の」「即時の」を意味する形容詞
いずれも形容詞ですので、例文の quick と置き換えて使うことができます。
I appreciate your prompt response. (早速のお返事をありがとうございます)
前に取り上げた”I appreciate your response.” (お返事ありがとうございます)のフレーズに、「早い」を意味する”prompt”を加えて使うことで、「早速のお返事をありがとうございます。」と丁寧に表現することができます。
お返事を「素早く」もらえたことに対して、特に感謝の気持ちを伝えたいときに使えるフレーズです。
“Thank you”(ありがとう)を “I appreciate”(感謝します)と表現することで、より丁寧な表現にできるわけです。
ここでは、「返事」として一般的な “reply”よりも、より広い範囲を含む “response”「反応」を使っています。
「早い」を表す形容詞として、前項で “quick”, “speedy”, “prompt”,”swift”,”immediate”を紹介しました。いずれも”response”「反応」と合わせても使えます。
たとえば、“I appreciate your immediate response.”でも「早速のお返事ありがとうございます」と表現できます。
英語圏のひととのやりとりで、知らない単語が出てきて困ったことはありませんか? ASAPも仕事の場面で使うことがある、特有の言い回しです。「早速のお返事をありがとうございます」といっしょに覚えておきましょう。
次の記事が詳しく説明しています。
カジュアルな表現の「お返事ありがとう」
続いて、少しくだけた「お返事ありがとう」を意味する英語表現を紹介します。
仲のよい同僚や、親しい友達に使いますが、折り目正しさにはやや欠けるので、たとえば顧客や上司など目上のひとに使う場合は、相手との間柄がそれにふさわしいかどうかを考えたほうがよさそうです。
Thanks for the reply.(お返事ありがと)
“Thank you for your reply.” を、少しくだけた言い方にした “Thanks for the reply.” という表現があります。
本来 “Thank you” とするところを、”Thanks”と短く省略した言い方にしていることで、軽く感謝しているのがわかりますね。日本語でいうと、「ありがと」「サンキュ」といったところでしょうか。
Thanks for getting back to me. (返事くれてありがと)
“Thanks for getting back to me.” も、少しくだけた、カジュアルな英語の言い方で「お返事ありがとう」を表現できます。
【語句の説明】
先に挙げた “Thanks for the reply.”の例と同じく、
- “Thank you”(ありがとう) → “Thanks” と短縮
- “reply” (返信、返事)→ “Getting back to me”(私に返す=)返事をする)
いずれもカジュアルな場面の話しことばでよく使う、くだけたニュアンスの「お返事ありがとう」です。
けれども、企業の担当者として顧客に公式な返信を送る場合や、職場の上司や先輩に返事をする場合にふさわしいかどうかは、ちょっと迷うところです。もちろん、感謝しているという気持ちは相手に伝わりますが。
そこで、日本語の訳では「ありがと」と、わざとくだけた感じを強調した表現にしてみました。
日本語ほどの違いはないにしても、英語にも書きことばと話しことばの違いはあります。PSは、書きことば特有の表現ですので、覚えておくと便利です。次の記事が、正しい使い方と合わせて説明しています。
「お返事お待ちしております」は英語で?
最後に、相手に返事を促す「返信をお待ちしております」「お返事を待っています」を表す英語のフレーズを紹介します。
I would appreciate it if you could reply. (お返事いただけたら幸いです)
仕事の場面などでよく使う「お返事をいただけたら幸いです」は、“I would appreciate it if you could reply.”で「お返事をいただけたらありがたく思います」と英語で表現することができます。
【語句の説明】
- I would appreciate it (あなたに感謝します)
“I will appreciate it” の will を would にしています。
- if you could reply(あなたが返事をくださるならば)
“if you can reply” の can を could にしています。
英語の文法に明るい方なら、「なるほど、仮定法の文章だな」と気がついたことでしょう。
「もしあなたが返事をくださったなら、わたしは感謝するでしょう」というニュアンスの文章になっているわけですね。
We look forward to hearing back from you. (お返事を楽しみにしています)
「お返事を楽しみにしています」といいたいときは、”We look forward to hearing back from you.” という表現で相手に返事を促すことができます。
【語句の説明】
- look forward to ~ing 「〜を楽しみにしている」という熟語です。
- hear from 「〜から連絡をもらう」(便りがある)
ここでは、”hear from” に”back”(戻る、返す)を付け加えて”hear back from”の形にして、「〜から返事の便りがある=返信がある」を表現しているわけですね。
ところで、ザ・ビートルズ、さらに後でカーペンターズのカバーですっかり有名になった “Please Mr.Postman”(お願い、郵便屋さん)という1960年代の曲があります。
遠く離れた恋人からの手紙を待ち望んで、郵便配達のひとに「自分あての手紙はないの?」「お願い、もう一度だけ確かめて」と頼むもので、返信を待つ切ない気持ちを歌った名曲です。
この曲の歌詞にも
I’ve been waiting such a long (a long, long) time
僕はずいぶん長いこと待っているのですSince I heard from that girlf of mine
(前に)彼女から手紙が届いてからずっと
と”hear from”が使われています。
※原曲とカーペンターズ版では、女性の歌い手に合わせて、「恋人」は男性という設定の歌詞になっています。
この項では、いろいろな「お返事お待ちしております」を紹介しました。文章でやりとりする場合、特に手紙がEメールで使う、独特な用語があります。
次の記事では、とまどうひとも少なくない、bccについて説明しています。ccとの違いはなんでしょう?
英文のEメールで注意すべき点を説明しているので、文書のやりとりをする方の参考になります。
まとめ
今回は、仕事でも、私的なやりとりでも使える「お返事ありがとう」の英語表現をいくつか紹介しました。
最後まで読んでくださったあなたは、ビジネス上のメールでの対外的な書き方と、親しい友人や仲のよい同僚に対する、くだけた書き方をもうご存じです。実際に英語を使う場面でも、相手の配慮に特に感謝したいとき、軽くお礼を言いたいときに合わせて「お返事ありがとう」を適切に使い分けられることでしょう。
ことばは、多少使い方が違っていても意味する内容は伝わるでしょうが、使い手の知識量やものの考え方までメッセージといっしょに伝えてしまうことがよくあります。誤解が生じにくい、正確な言い方をいくつか覚えておくと便利です。
この記事で紹介した内容が、英語を学ぶあなたの表現を、より正確で、より豊かなものにするお手伝いができれば幸いです。