「インセプション」という映画を観たことありますか?「インセプション」は、クリストファー・ノーラン監督の代表作のひとつ。映画好きなら、「観た」という方も多いのでは?渡辺謙が出演していることも、話題になった映画です。

さて、この「インセプション」とはどういう意味なのでしょうか?今回は、「インセプション」本来の意味や、映画の中の「インセプション」の意味、「インセプション」を使った英語表現などをご紹介します。

映画「インセプション」のあらすじを確認!

映画「インセプション」のあらすじを確認!

インセプション」は2010年に公開されたSFアクション映画。2010年の興行収入ランキングで4位となったヒット作です。第83回アカデミー賞では、作品賞脚本賞などの8部門にノミネートされ、撮影賞視覚効果賞音響編集賞録音賞を受賞しました。

あらすじ

主人公のドム・コブ(レオナルド・ディカプリオ)は他人の夢の中に入って情報を盗み取るスペシャリスト。しかし、その才能から、国際指名手配を受け、さらに妻殺害の容疑もかけられていました。そのため、アメリカに入国が出来ず、家族とも長らく会えない状態に。

あるとき、コブは日本人実業家サイトー(渡辺謙)から、奇妙な依頼を受けます。それは、コブが得意とする情報の盗み出しではなく、アイデアを植え付けるという極めて難しいもの。犯罪歴を抹消してもらうことを条件に、コブはサイトーの依頼を引き受けるのですが…

映画の中の「インセプション」とは?

映画では、サイトーから依頼された「アイデアを植え付ける」ことを「インセプション」と表現しています。
ちなみにもともとコブが得意としていた「夢の中に入って情報を盗み取る」ことは「エクストラクション」と表現されていました。
この映画の原題は”Inception”。邦題と同じですね。では、”inception”の本来の意味を次で確認していきましょう。

インセプションってどういう意味?

inception”という英語をあまり耳にしたことがない、という方も多いでしょう。
それもそのはず、”inception”の難易度の水準は大学院以上、英検一級以上のレベルとされています。ネイティブの日常会話でもあまり、使うことのない単語と言ってもいいかもしれませんね。

inception”は「開始」や「発端」、「始まり」を意味する言葉です。
何かが始まる瞬間やそのプロセスを指す際に使われます。特に、計画やプロジェクトのスタート、またはアイデアやコンセプトが最初に形になる瞬間を表現する時によく使われることの多い単語です。

例文を確認しましょう。

Aさん
The inception of the project was marked by a kickoff meeting.
そのプロジェクトの立ちあげは、キックオフミーティングで始まった。
Aさん
Since its inception, the company has grown rapidly.
創業以来、その会社は急速に成長している。
Aさん
The inception of the new marketing strategy brought a significant increase in sales.
新しいマーケティング戦略の開始によって、売上が大幅に増加しました。

映画の中の” inception”が意味するもの

映画での「インセプション」は「アイデアを植え付ける」ことを意味することです。
これは、「植え付けたアイデア」が「相手の行動のなんらかの発端になる」ことからつけられているのでしょう。

ちなみに、もともとコブが得意としていた「夢の中に入って情報を盗み取る」ことは「エクストラクション」でしたね。「エクストラクション」は英語では “extraction“。その意味は、「抽出」や「取り出し」、「摘出」です。こちらは納得のネーミングですね。

使い方を例文で確認しましょう。

Aさん
The extraction of juice from the fruit was easy.
果物からのジュースの抽出は簡単でした。
Aさん
The dentist scheduled my tooth extraction for next week.
歯医者は来週に私の抜歯を予定しました。
Aさん
Oil extraction is a major industry in some countries.
石油の抽出は一部の国では主要産業です。

inceptionの類義語を確認しよう!

inceptionの類義語を確認しよう!

inception”の類義語を確認しましょう。いずれも「開始」や「始まり」を意味する言葉です。

beginning

最も広く使われる「開始」や「始まり」を意味する単語です。

Aさん
The beginning of the book was so captivating that I couldn’t put it down.
本の始まりがとても魅力的だったので、読むのをやめられませんでした。
Aさん
At the beginning of the year, I set an ambitious goal for myself.
年の初めに、私は自分にとって野心的な目標を立てました。

commencement

行事や儀式の開始を表現するときに使われることの多い単語です。

一般的に卒業式は“graduation ceremony”ですが、”commencement”を使い、”commencement ceremony”と言うことも。こちらは少しフォーマルな表現です。卒業式が新たな人生のスタートであるということから、この表現になったそうです。「卒業式」を「スタート」と捉えるのは、とても英語らしい表現ですね。

Aさん
The commencement ceremony was held in the auditorium.
卒業式は講堂で行われました。
Aさん
She felt nervous at the commencement of her speech.
彼女はスピーチの冒頭で緊張した。

origin

歴史的な起源何かの発生元を表す時に使われる単語です。

Aさん
The scientists are studying the origin of the universe.
科学者たちは宇宙の起源を研究しています。
Aさん
The origin of the custom can be traced back to ancient times.
その習慣の起源は古代にさかのぼることができます。

launch

新しいプロジェクトや計画のスタート、製品やサービスの導入時に使われる単語です。ロケットの発射や新商品のリリースなど、物理的な発進を示すときにも使われます。

Aさん
The launch of the campaign was a major milestone for the organization.
キャンペーンの開始は、その組織にとって大きな節目となりました。
Aさん
The launch of the new smartphone was a huge success.
新しいスマートフォンの発売は大成功でした。

まとめ

今回は映画の「インセプション」を中心に「開始」や「発端」、「始まり」を意味する単語をご紹介しました。

「インセプション」は映像と音楽がとても美しい映画です。その設定やストーリーが複雑で、一度見ただけで理解できる人は少ないかも。まだ観たことがないという方はぜひ一度、観てください。英語勉強中の方はぜひ、渡辺謙の台詞にも注目を。とても聴き取りやすい英語ですよ!

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