「明日まで」や「〇時まで」など、スケジュール調整や締め切りを伝えるときによく使う「〜まで」という表現。
日本語では当たり前のように口にしている言葉ですが、いざ英語で言うとなると正しく使い分けできている人は多くないでしょう。
今回は、日常会話だけでなくビジネスシーンでも登場頻度の高い「〜まで」を表す英語、”by”と”until”と”till”について、意味の違いと正しい使い方を解説します。
「~まで」を表す3つの英語
「〜まで」を表す英語はいくつもありますが、なかでも頻繁に使われるのが”by”と”until”と”till”の3つです。
どれも「〜まで」を意味する単語ですが、使い方を間違うと全く異なる解釈になってしまいます。
「〜まで」を表す”by”と”until”と”till”を、辞書に載っている日本語と合わせてそれぞれ解説します。
by
- 期限を意味する
- 日本語訳「〜までに」
- ”by”のあとには時を表す名詞句が付く
- 未来のある時点ですでに行為が完了していることを表す
until
- 継続を意味する
- 日本語訳「〜までずっと」
- 肯定文において、継続の意味を表す動詞とともに用いられる
till
- 継続を意味する ※untilの方がやや強調的
- 日本語訳「〜までずっと」
- 肯定文において、継続の意味を表す動詞とともに用いられる
参考:tillとは・意味・使い方・読み方・例文 – 英ナビ!辞書 英和辞典 (ei-navi.jp)
tillの意味・使い方・読み方|英辞郎 on the WEB (alc.co.jp)
”by”がピンポイントで期限を示しているのに対し、”until”と”till”はある時点までの継続を意味しています。
”until”と”till”に意味の違いはほとんどありませんが、”until”のほうが”till”より意味合いはやや強めです。
”till”は結構くだけた印象になるので、友人や家族間といったカジュアルな場面で使うときに適した言い方です。
”by”と”until”の違いを以下の2つの例文で比較してみましょう。
〔例文1〕
I have to prepare for the meeting by 2pm.
午後2時までにミーティングの準備をしないといけない。
〔例文2〕
I have to prepare for the meeting until 2pm.
午後2時までミーティングの準備をしないといけない。
”by”と”until”だけの違いですが、訳は全然違うものになっていますよね。
”by”か”until”か、使い分けに悩んだときは、動作や状態が継続可能かどうかを考えるのがポイントです。
期限までに完了している ”by”
”by” は、その動作や状態が、決まった期限やある時点までに完了していることを表す前置詞です。
明確な日付や時刻など、ピンポイントの一点(一時点)を表す言葉とともに使われます。
英英辞書でも”a particular time”と明記されており、特定の時間や期日を指していることがわかりますね。
before or not later than a particular time
(特定の時間まで)
I have to finish my assignment and submit my report by next week.
訳)来週までに課題をやってレポートも提出しなきゃならないの。
Please call me by 8am. I need to be at the airport by 3 o’clock.
訳)朝の8時までに電話してね。3時までには空港に着いていないといけないから。
期限をより明確に提示したいときは、”at the latest”や”no later than ~”を付けて、「遅くとも」という意味も表現できます。
I have to finish writing this business proposal by next Thursday at the latest.
訳)遅くとも来週の木曜日までには、この企画書を書き終えないといけないんだ。
We will come back to the office no later than 5pm today.
訳)今日は、遅くとも午後5時までにはオフィスに戻ってくるよ。
疑問文で「いつまでに~?」と問いかけたいときには、”by when〜”という表現を使います。
By when can we get a call back from you?
訳)いつまでに連絡もらえるかな?
By when should I apply for vacation?
訳)休暇申請はいつまでにすればいいの?
ある時点まで継続している ”until”
”until”は、動作や状態が、一定期間またはある時点まで継続していることを表す前置詞です。
”until”を使うことで、その動作が一瞬ではなくなり、それまでずっと続いている(た)という意味になります。
動作や行為が継続可能な動詞”keep”や”work”、”wait”などとともに使われることが多いです。
英英辞書にも”continues”とあるように、一定の時間や期間、物事が継続していることを指した表現であることがわかります。
if something happens until a particular time, it continues and then stops at that time
(特定の時間まで物語が起こること、または継続してその時間までで止まること)
同じ意味の単語に”till”がありますが、”until”はフォーマルな文語的表現、”till”はカジュアルな口語表現と覚えておきましょう。
The cafe was open until Saturday.
訳)そのカフェは土曜日まで開いていたよ。
Nick is staying in Los Angeles until November 15th.
訳)ニックは11月15日までロサンゼルスに滞在するって。
It was not until I got home that I realized I had lost my earrings.
訳)家に帰るまでイヤリングをなくしたことに気付かなかったわ。
「いつまで~?」と聞くときに使える”until when~”を使った疑問文も覚えておくと役立ちます。
Until when do you plan to stay in Osaka?
訳)大阪にはいつまでいる予定ですか?
Until when will the rainy season last?
訳)今年の梅雨はいつまで続くんでしょうか。
文中で使うカジュアル表現 ”till”
”till”も、”until”と同様に、動作や状態が一定期間またはある時点まで継続していることを表す前置詞です。
英英辞書にも”; until”と書かれており、”till”が”until”に置き換えられることがわかります。
up to (the time that); until
(~まで、その時まで、untilと同義)
ただし、”till”と”until”が置き換えできるのは下記の条件に限られるため、使う場面には注意が必要です。
- 家族や友人など親しい間柄でのやり取り
- 文中でのみOK、文頭はNG
- 話し言葉でのみOK、文書や書き言葉としてはNG
カジュアルな印象を与える”till”は、かしこまったフォーマルシーンには適していないので、ビジネス英語には”until”を使うことをおすすめします。
Yesterday, I talked with Lisa till midnight.
訳)昨日はリサと夜中まで話し込んじゃったよ。
I will wait here till my boyfriend comes.
訳)彼が来るまでここで待ってるわ。
You do not really understand a man till you have met him.
訳)会ってみないと人柄はわからないよ。
”till when~”で始まる疑問文は、”until when〜”よりもカジュアルなニュアンスの疑問文になります。
Till when can you wait for our RSVP for the party?
訳)パーティーの出欠はいつまで? RSVP:招待状の返事
Till when are you going to be on summer vacation?
訳)夏休みっていつまで?
まとめ
「〜まで」を表す英語のなかでも登場頻度の高い”by”と”until”と”till”について解説しました。
”by”は、決まった期限やある時点までに動作や状態が終わっていることを示します。
対して”until”と”till”は、一定期間またはある時点まで動作や状態が継続していることを表します。
”until”と”till”は同じ意味ですが、まずは幅広い場面で使えるフォーマルな”until”を覚えておくのがおすすめです。
”by”と”until”と”till”それぞれの意味の違いと正しい使い方を覚えて、表現力に磨きをかけていきましょう。
「〜まで」と言いたいときに出てくる「期限」や「納期」、「期間」については以下の記事で解説しています。もっと知りたいという人はぜひ読んでみてください。