日本語の「両方とも」や「どちらも」は、日常会話のいろいろなシーンで頻繁に使っている言葉ですよね。
「AとB」は、”A and B”とパッと表現できても、「AもBも」「AとB両方とも」はどのように言ったらいいかわからないという人も多いのではないでしょうか。
今回は、「両方」を意味する英語に加え、「どちらか一方」「どちらでもない」などの関連表現も合わせて紹介していきます。
「両方」を表す “both”
「両方」を表す英語としてよく知られている”both”は、品詞によっていろいろな意味を持っているマルチな単語です。
よく聞く「両方の」という意味の”both”は形容詞で、基本的に”both+名詞”の形で使われます。
【例】
- both the books(両方の本)
- both the cars(両方の車)
“both A and B”の形でお馴染みの”both”は、「AとB両方」を強調する働きをする接続詞です。
【例】
- both Mary and Emma(メアリーとエマの両方)
- both desk and chair(デスクとチェアどちらも)
品詞別にみた”both”の日本語訳と使用例を一覧にまとめました。
品詞 | 意味・日本語訳 | 使用例 |
形容詞 | 「両方の」「2つの」「2人の」 | both the dishes (両方の皿) both these chairs (これら両方のイス) both my parents (両親) both my younger sisters (2人の妹) |
代名詞 | 会話や文章で出てきた2つ(2人)を指す代名詞として「両方」 | I met a woman and a man. Both were very nice people. (とある女性と男性に会いました。 どちらもとても素敵な人たちでした。) |
接続詞 | 両方であることを強調する「AもBも」「どちらとも」 | both you and I (あなたとわたしどちらも) both kind and smart (やさしくて賢い) |
副詞 | 動詞にかかる「両方とも〜する」「どちらも〜である」 | They both work from home. (どちらも在宅で仕事をしています。) |
参考: 英ナビ!辞書 英和辞典
では、”both”の使い方を例文で確認してみましょう。
形容詞の”both”
Both my older brothers are good at speaking, but I’m not.
訳)2人の兄はどちらもスピーキングが得意ですが、わたしは苦手です。
Both these tables were expensive. I bought them for over 70,000 yen.
訳)このテーブルはどちらも高く、7万円以上しました。
Both those dogs are very quiet. I have never seen them barking at people.
訳)2匹とも非常に大人しいです。人に吠えるのを見たことがありません。
“both of+名詞の複数形”で、「〜の両方」という意味の表現も覚えておくと良いでしょう。
Both of the bands were good, but I liked the first one better.
訳)どちらのバンドも良かったけれど、わたしは最初のバンドのほうが好きです。
Mia and I are not going to be at the office in the afternoon. Both of us have some appointments.
訳)ミアとわたしは、2人とも約束がありますので、午後は外出の予定です。
代名詞の”both”
I saw Kalen and Andrew for the first time in a while. Both looked good.
訳)カレンとアンドリューに久しぶりに会いました。どちらも元気そうでした。
I know Lisa and Kate. Both are my friends from junior high school. We often hang out.
訳)リサとケイトは知っています。中学からの友達で、よく遊びに行きます。
接続詞の”both”
My son loves both vanilla and chocolate ice cream very much!
訳)息子はバニラとチョコのアイスクリームが両方とも大好きです!
I want to talk in Japanese and English to improve my vocabulary.
訳)語学力向上のために、日本語と英語の両方でやり取りしたいです。
Jane is both strong and kind. She has always been my role model.
訳)ジェーンは強くてやさしい。ずっとわたしの憧れです。
副詞の”both”
I have two cats. They are both cute but sometimes out of control.
訳)ネコを2匹飼っています。どちらもかわいいのですが、ときどき言うことを聞かず大変です。
My parents can both speak English. They taught me English when I was a kid.
訳)両親はどちらも英語を話せます。子どもの頃、英語を教わりました。
“Best of both worlds”(両方のいいとこ取り)という意味の表現もあります。
You understand Japanese and Australian culture very well. You have the best of both worlds.
訳)日本語と英語のいいとこ取りですね!
(日本とオーストラリアのハーフの人に対して、文化などが自然に身について良いですね)
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「どちらか一方」を表す “either”
「2つのうちのどちらか一方」を表すときの英語は、”either”です。
文脈によって「どちらでも」「両方の」という意味を含み、難しいイメージのある”either”は、わかっていてもなかなか上手に使いこなせないという人も多いでしょう。
英英辞書には以下のように定義され、否定文と組み合わせて「どちらも〜ない」を表すときにも使われます。
- used when referring to a choice between two possibilities
2つの可能性のどちらかを選ぶときに使われる- used in negative sentences instead of “also” or “too”
否定文で “also “や “too “の代わりに使われる
“either”を使った例文を確認してみましょう。
Either Olivia or Anne must do that work.
訳)オリヴィアかアンのどちらかが、その仕事をしなければなりません。
John must be either tired or sleepy.
訳)ジョンは疲れているか、眠いに違いに違いありません。
You can either come with your parents or go home.
訳)両親と一緒に来てもいいですし、家に帰っても大丈夫ですよ。
Bob doesn’t smoke and Ken doesn’t smoke, either.
訳)ボブもケンもタバコを吸いません。
「どちらでもない」を表す “neither”
肯定文で否定を表す”neither”は、「どちらでもない」と言うときに使われる代表的な英語です。
“both”や”either”と同じく”neither”にも、文脈によって形容詞、名詞、副詞など複数の使い方があります。
“neither”は一語で否定の意味を含んでいるため、”not”は使わず肯定文で「どちらとも〜でない」という意味になります。
not one and not the other of two things or people
2つのうちのどちらか1つでもない(二者択一ではない)
例文で使い方を確認してみましょう。
I didn’t come home last night, but neither my parents knows about it.
Henry is studying neither of the subjects.
訳)ヘンリーは、どちらの教科も勉強していません。
Neither of my sisters can sing well.
訳)姉と妹どちらも、歌は上手ではありません。
“neither A nor B”で、「AでもBでもない」という言い方もよく使われるので覚えておきましょう。
I stayed at a mountain lodge. I had neither TV nor the internet.
訳)ロッジに泊まりましたが、テレビもインターネットもありませんでした。
I have lived neither in Tokyo nor in Osaka.
訳)東京と大阪のどちらにも住んだことがありません。
まとめ
「両方」を意味する英語に加え、「どちらか一方」「どちらでもない」などの関連表現も合わせて紹介しました。
「両方」を表す”both”は、形容詞、代名詞、接続詞、副詞の役割を持ち、文脈によっていろいろな使い方があります。
「どちらか一方」には”either”を、「どちらでもない」には”neither”を用いて表現します。
ひとつ注意点として、”either”は否定文、”neither”は肯定文で「どちらでもない」ことを意味すると覚えておきましょう。
例文は何度も声に出して練習することで、英語のリズムやイントネーションが身に付き、よりスムーズな会話につながりますよ。
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