英検1級の一次試験では、リーディング、リスニングも重要ですが、ライティングでも7割ぐらい点数を取りたいですね。
この記事では、「英検1級のライティング攻略法」というテーマで、ライティングで使える表現を紹介しつつ、英検1級ライティングにおすすめの本も紹介します。いま現在、英検1級の一次試験合格を目指しておられる方はもちろん、近い将来、本人またはお子さんが1級の一次試験合格を目指したいと考えておられる方は、ぜひ最後まで目を通してみてください。
英検1級のライティングとは?
2024年度から英検1級のライティングには、従来の意見陳述問題に要約問題が追加されました。「意見陳述問題だけでも大変なのに、要約問題まで追加されて、一次試験に合格するのがますます大変になった」と感じている方もおられるでしょう。
英検の一次試験では、リーディングとライティング、リスニングの各技能にCSEスコアが850点ずつ割り当てられています。つまり、ライティングは大問4 要約問題と大問5 意見陳述問題から成り、この2問のCSEスコア850点が一次試験全体の3分の1を占めています。その配点割合について知ると、ライティング問題は軽視できませんね。詳しく見ていきましょう。
要約問題
2024年度から導入された要約問題では、300語程度のエッセイを読んで、できるだけ自分自身の言葉で90~110語でまとめることが求められています。「できるだけ自分自身の言葉で」というところが難しく感じますね。実際、3パラグラフからなる文章は、約300語とかなり長くて、そのまま書き写すだけでは、エッセイの一部の内容しか入らないため、工夫してうまくまとめなくてはなりません。要約問題は20分ぐらいで解くのが望ましいです。
意見陳述問題
英検1級の意見陳述問題では、「Introduction 序論」「Main body 本論」「Conclusion 結論」という三部形式で、3つの理由を挙げて、200~240語の長さでエッセイを書くことが求められています。200~240語というのはかなり語数が多いです。
「Introduction 序論」は3文ぐらいで50語前後にまとめます。「Conclusion 結論」は2文ぐらいで40語前後でまとめます。「Main body 本論」は、110~150語でまとめましょう。1つの理由につき40~50語でまとめるということになります。すべて書き終わった後に語数を数えるのは、時間もかかり大変なので、それぞれのパートごとに何語ぐらいでという目安を決めて書いていくのがおすすめです。意見陳述問題は25~30分ぐらいで解くのが望ましいです。
ライティングの練習問題
ライティングの練習問題としては、日本英語検定協会の公式サイトで、過去3回分の問題を解いて、模範解答と見比べてみるのがおすすめです。
要約問題
最近の要約問題の出題傾向を英検の公式サイトで確認してみましょう。2024年度の3回分の要約問題では、3つのパラグラフをそれぞれ1、2文で、合計90~110語でまとめています。
要約問題攻略のコツは、YouTubeのこのサイトでもチェック
【英検2024リニューアル解説動画】英検1級の変更点と勉強法(安河内哲也先生)
要約の5つの手順
- 主張の特定:論文全体を読んで、筆者の主張を特定。一番大事な文を選ぶ。
- 具体的な用語の抽象化:具体的な用語や固有名詞は、総称的な言葉や抽象的な表現に言い換え=パラフレージング
- 論理性の構築:因果関係に気をつけて本文と同じ論理的な構造を維持
- 冗長部分の排除
- 完結性の確認:要約文だけを読んで、筆者の主張が伝わるか確認
意見陳述問題
2024年度の過去問で、どんな意見陳述問題が出題されたのかを紹介します。
Will governments be able to keep up with increasing energy demands in the future?
(将来、政府は増大するエネルギー需要に対応できるでしょうか。)
2024年度 英検1級 第1回大問5より抜粋
Are free trade agreements with other countries the best way to promote economic growth?
(他国との自由貿易協定は、経済成長を促進する最善の方法でしょうか。)
2024年度 英検1級 第2回大問5より抜粋
Is freedom of the news media beneficial to society?
(報道機関の自由は社会にとって有益でしょうか。) 2024年度 英検1級 第3回大問5より抜粋
2024年度のライティング意見陳述問題では、経済問題やエネルギー問題、報道機関の問題などの社会問題に関する問題が出題されています。意見陳述問題は、二次試験の2分間スピーチ対策でも役に立つので、経済問題や社会問題に関するライティングの練習をできるだけたくさんしましょう。
2024年度の3回分の問題を見ると、Yes か No かで問うタイプと、Agree か Disagree かを選ばせるタイプの、どちらかであることが分かります。
「今すぐ解いてみよう」
英検1級ライティング対策の書籍を購入して、要約問題と意見陳述問題をたくさん解くのもおすすめですが、書籍以外にも、インターネット上で今すぐ解ける問題があるので、紹介します。
【試験リニューアル対応版】英検1級ライティングの問題と解答のコツ・ノウハウ
このサイトでは、旺文社オリジナル予想問題が、要約問題と意見陳述問題で1問ずつ掲載されています。解答例だけでなく、採点の観点と配点が書かれているので、とても参考になります。
英検1級のライティングの採点は、①内容、②構成、③語彙、④文法の4つの観点から為されます。それぞれの観点が0~8点の9段階で採点され、合計32点満点です。予想問題を解いて、模範解答と見比べる際に、その4つの観点を満たしているかも留意しましょう。
ライティングで使える表現
1級のライティングには要約問題と意見陳述問題があるので、2つに分けて使える表現を紹介します。
要約問題で使える表現
順接・追加
- therefore
- furthermore
- moreover / what‘s more
- additionally
- in addition
逆説
- however
- although
- yet
対比
- on the other hand
- while
- whereas
- meanwhile
結論
- in conclusion
- as a result
- to sum up
- in the end
意見陳述問題で使える表現
(序論で使える表現)
- Some people say that …, but I think …
- It is often pointed out that …, but I believe …
- Although …, I don’t agree that …
(本論で使える表現)
- 本論の始まりにTo begin with ,や In the first place,などが使えます。
- 2番目の理由の始まりに、Second(ly), だけでなくAnother reason is that … も使えます。
- 3番目の理由の始まりに、Third(ly), だけでなく、Finally,も使えます。2番目や3番目の理由を述べる際、Moreover, や Furthermore,も使えます。
(結論で使える表現)
- In conclusion, …が一般的によく使われますが、To sum up, …も使えます。模範解答によく使われる表現で、For the above three reasons, I strongly believe that …とするのもいいです。
ライティング問題におすすめの本
英検1級のライティング問題対策でおすすめの本をいくつか紹介します。
2024年度から始まった要約問題の対策本はまだあまり出版されていないので、英検合格のための要約問題 予想問題集は、要約問題対策の貴重な参考書です。
ジャパンタイムズ出版から出ているこの本は、英検1級合格のためのバイブルとして多くの1級受験者に愛用されてきた本です。
出版年月日が2016/08/31で、少し古く、要約問題の最新形式にまだ対応していませんが、意見陳述問題の対策には使えます。
同出版社から、2025/05/20に最短合格! 英検®準1級 要約&英作文完全制覇が出版されますが、英検1級に関しては、ライティングの最新版は2026年の出版予定だそうです。
この問題集は、ライティングだけでなく、他の問題も含まれていますが、過去6回分の問題と解説が含まれています。
まとめ
英検1級のライティング攻略法について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。2024年度からライティング問題に要約問題が追加されて、ライティング問題への対応などで困っておられる方向けに、2025年5月時点での最新情報をお伝えしました。
この記事が、英検1級合格を目指しておられる方のお役に立てれば幸いです。