「いつも通りでお願いします」と言うことがありますが、それとは少し違い、現状のままで、そのままでということを英語で伝えたいときがあります。
例えば「子どもが遊びに行ったけれど、部屋は散らかったそのままだった」なんてことがあります。この場合、どのような英文になるのでしょうか?
この記事では、覚えると英会話に便利なas isを紹介します。ビジネスのプロセスにも使われる表現ですので、この機会に使えるようにしていきましょう。
as isとは?
asとisという、とても親しみのある単語を組み合わせたas is。まずは、基本的なニュアンスを掴むところから始めましょう。
as isのニュアンス
ズバリ、as isのニュアンスは「ありのまま・そのまま」です。そもそもasは接続詞として「~のままで・~のままに」の意味を持っています。これは、asのイメージが「同じ」「同等」「イコール」であることを考えると想像しやすいでしょう。したがって、ありのままということは現状のまま、現状どおりということであり、家の改装や車の修理をしない現状のままなどが例に挙げられます。英語にすると、家が現状のまま売られたはthe house was sold as is、車がそのままの状態で販売されたのであればthe car was sold as isのように表現します。
このことから、as isは商品のラベルなどにつけられ「汚れあり」「傷あり」の意味でも使われます。汚れや傷があるそのままの状態で販売されることをas isが表しているんですね。
as isとas it isは違う?
as isについて調べていると、as it isというフレーズも見つかります。これらはほぼ同じように使える表現です。一点異なるのは、as it isは文章の頭に持ってこれるのに対し、as isはそれをしないというところです。
Can you just leave the plate on the table as is?
Can you just leave the plate on the table as it is?
2つの例文はどちらも「お皿はそのままテーブルに置いておいてくれる?」の意味になります。
just leave it as is、またはjust leave it as it isは「そのままの状態においておいて」や「今のままにしておいて」であり、itに様々なものを置き換えて応用できるので覚えると便利です。
as is – ビジネス
英語を使う環境で仕事をする場合、様々な表現を知り、使えるようになっていくことが重要です。
本記事で紹介しているas isも、実はビジネスシーンで使用されていることを知っていますか?
ビジネスにおけるas-is
ビジネスにおけるas isは「現状」の意味で使用されます。
as-is processとして、現状の姿=現在のビジネスプロセスを指します。改善や問題を解決するために、まずは現状を把握することが重要ですが、数値などデータに基づいた分析をする必要があります。現状分析と言えば、現状を把握することで課題抽出することを言います。このことから、as-is process analysisという英語表現もあります。現状分析には、データ収集、情報整理、組織の強みと弱みの分析、そして目標設定やモニタリングと評価などが含まれます。
as-is process analysis – 現状プロセス分析
現状を分析することで改善点、解決策が見えてくるというメリットから、ビジネスシーンでas-is process analysis(現状プロセス分析)が行なわれています。
訳)現状プロセス分析は、ビジネスの現在のプロセスを特定し評価するプロセス管理戦略である。
事業を前進させるためには、今の現状を分析することが重要という考え方です。as isがビジネス上の用語「現状」として使われていますが、本記事でas isが「現状のまま・ありのまま」の意味を持つことが分かった今は理解しやすいですね。
フレームワークas is to be
ビジネスではas isが「現状」という意味で使用されていることが分かりました。現状を分析・把握したら、次の段階ですべきことが見えてきます。ビジネスを理想の形にしていく、次のステップを紹介しましょう。
現状と理想as is to be
as is to beは、As-is/To-beまたはAs Is – To Beなどと表現され、現状と目指すべき理想の姿を意味します。as isはもちろん「現状」、そしてto beが「目指すべきもの」です。
As Is – To Beとは、現状を洗い出し、目標(理想)とのギャップを明確にすることで取り組むべき具体的な課題、取るべきアクションを明らかにするフレームワークです。
state analyses go hand in hand with process improvement.
訳)as-is(現在)とto-be(将来)の状態分析は、プロセス改善と密接に関連しています。
手を取り合うというフレーズhand in handには、2つのことが「関連して起こる」の意味があります。この例文では、現在・将来を指しています。
As-is/To-beにはテンプレートがあります。
項目としては、テーマがあって、それに関してのAs-isとTo-beの欄、加えて、課題とアクションを書き込めるようなものになっています。
as isの使い方
ここでは、「ありのまま・そのまま・現状のまま」のas isを使った例文を紹介しましょう。
as isの例文
まず、冒頭文の「子どもが遊びに行ったけれど、部屋は散らかったそのままだった」に戻って、この日本語を英文にしてみます。
訳)子どもが遊びに出かけたのだけど、部屋、散らかったままにしたわ。
messyは「散らかった・汚い」、his room messyで彼の部屋は散らかっていた、となりますが、文末にas isを加えることで「散らかったそのまま」のニュアンスを伝えることができます。
訳)セカンドハンド(中古品)のダイニングテーブルはそのまま購入できますよ、見た感じも素晴らしいでしょう。
筆者の住むイギリスではチャリティショップが多くあり、家具、衣料品から本など中古品が格安の値段で売られています。修理しすぎずに古い家具のテイストそのまま(!)で使うことが多くあります。
訳)新しいフラットを買うか、自分たちで改装できる古いものをそのまま買うかを考えています。
フラット(flat)とはイギリスではアパートメントまたは日本で言うマンションを言います。古い物件をそのままの状態で買い、間取りからインテリアなど好きなようにリノベするのっていいですね。
部屋が散らかったそのまま、改装など手をつけていないままの物件など、as isのニュアンスを掴んでください。
覚えてると便利なasフレーズ
最後に、asが使われた便利なフレーズを一部紹介しましょう。as=イコールのイメージを思い出してお読みください。
asの英語フレーズ
as usual いつものように・いつも通り
as always いつものように・いつも通り
as expected 思ったとおり・予想どおり
as of now 現在のところ
as if まるで~であるかのように
as well as 同様に
まとめ
as isのニュアンスは「ありのまま・そのまま」であり、ビジネスシーンでは「現状」の意味で使用されます。as=イコールのイメージを覚えるとともに「そのまま・現状のまま」を英会話に使えるようにしていきましょう。
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